— ラガード研究所-資料室-

Archive
登場人物

20130202-05
——————-
京都大学大学院理学研究科
宇宙物理学教室 花山天文台
博士後期課程 河村 聡人(Akito D. Kawamura)
——————-

2月1日から3月末まで、Lagado研究所にて宇宙物理学の修士論文を展示して頂いている河村さんについてのご紹介です。河村さんとの出会いは、三人目の星の先生である玉澤春史さんからご紹介頂けました。

河村さんは、日本ではわずか数人しかいない「太陽圏」という領域を研究されているのだそうです。
太陽圏とは、「太陽風の届く範囲の空間」と書いてありました。
太陽風(たいようふう)とは、太陽から吹き出す極めて高温で電離した粒子(プラズマ)のこと。その先は、私自身よく分かりません。

太陽圏については、
「ボイジャー1号太陽圏脱出か?」というニュースが1年半ほど前に話題になった事をご存知の方も多いかもしれません。

太陽圏という範囲がどこの範囲を指しているかと言うと、
私たちが聞き慣れている「太陽系」とは、太陽の重力の影響が及ぶ範囲の事で、
「太陽圏」とは、太陽風の届く範囲という事で、

範囲で言えば「太陽圏」<「太陽系」
オールトの雲よりは手前の距離にあります。

今回の論文展は、研究者が探求してる、私たち一般の方には理解出来ず想像もつかいない領域を、
わからないままの状態で、楽しんでしまおうという試みです。
論文の順番も説明も特にございません。全体を見て何かを感じて頂けたら嬉しいです。
20130202-03

——————————————————————————————————————
20130202-02

「(写真提供:NASA/JPL-Caltech)」

ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、2014年現在も運用されている。同機は地球から最も遠い距離に到達した人工物体となっており、太陽の影響圏から広大な星間空間へと遷移する空間を飛行している。
——————————————————————————————————————

それでは、恒例の5つの質問を星の先生河村さんに投げかけました。

5つの質問
1.星に興味を持ったきっかけを教えてください。
2001年の獅子座流星群と学部生時代の観測会かと思います。流星群の時は夜、眠
た眼ながらたくさんの流れ星を見た記憶があります。ですがより直接的なきっか
けは観測会です。仲間達とわいわいガヤガヤと望遠鏡にたむろして星を見る様に
なってから、流星群の個人的な観測もするようになりました。

2.今は、どのような星に関する活動をされていますか?
研究者のはしくれとしては太陽の勉強をしています。最近は主に紙の上の仕事研
究ですが、近々コンピュータでのシミュレーションも再開させたいです。

あと、太陽「圏」の普及・広報活動です。昨年ボイジャー1号が太陽圏を脱出し
たというニュースがありましたが、太陽重力系(所謂オールトの雲)との勘違い
が多かったです。前の所属研究所にて太陽圏の研究をしていた身としては無視で
きない低認知度なので、正しい太陽圏の知識を広めていきたいです。

3.今一番興味のある宇宙のトピックを教えてください。
次の太陽周期です。今の太陽周期では黒点数が非常に少ないですが、この傾向が
次の周期でどうなるのか?活動が更に弱まるとしたら新たな小氷河期の可能性も
あるが、どうなのか?今後十数年の気候を予測する上でも重要な事です。

4.Lagado研究所の授業はどのようにしていきたいですか?
今回の試みは僕の修士論文を読み物としてではなく、展示物としてどう受け取ら
れるのか、かなり実験的な挑戦だと思います。科学をどう伝えるかではなく、た
だ存在するだけで何か伝わるのか?何か新しいものが生まれるのか?皆様の感性
を交換しあえるきっかけになれば幸いです。

5.来てくれるお客様へ一言お願いします。
科学ではなく、展示作品としてお楽しみ下さい。
そして運良くお会いできれば、ご感想をお聞かせください。

 

2月1日から3月末まで

河村聡人 宇宙物理学修士論文展

(共同企画)玉澤春史(京都大学理学研究科附属天文台博士後期課程)、 淡嶋健仁(骨董屋Lagado研究所)
問い合わせ先:玉澤春史 (tamazawa@kwasan.kyoto-u.ac.jp)

Read More

小滝博士とは、Lagado研究所の星の先生である玉澤春史さんからのご紹介でお会いする事ができました。
普段から、石の事をもっと知りたいなあと思っていた私にとって、とても嬉しい出会いでした。

鴨川三角州に降りて、ご一緒に石ころの観察をしたのですが、いつも見ている石なのに新しい発見が目白押しの時間でした。
身近にあるもの、当たり前の事象が、時間の単位を10年、100年という単位から1000万年、1億年と単位を変える事によって大変違った世界に見える事を知りました。

ぜひ、この機会にお気に入りの石ころを博士と探して、さらに京都の地形や地面の歴史などを知ってみてはいかがでしょうか?
身近な石を見つけてハンマーで割ったりしてそこに見えた世界を、博士と一緒に冒険しましょう。

20130326
————————————————————————
小滝篤夫(Kotaki Atsuo) 博士(理学)
1948年 京都府生まれ

京都府立大学生命環境学部非常勤講師、府立福知山高校非常勤講師
福知山市文化財保護議会委員、京丹後市史編集委員会
自然 地理部員 京丹後市ジオパークネットワーク推進会委員
————————————————————————
地質に興味を持ったきっかけを教えてください
子どもの頃、野山で遊びまわったことが原点でしょう。いつも生活の中に石や土がありました。それと、中学・高校の授業で歴史が好きだったこともきっかけの一つでしょう。それらが合わさって、自然界の歴史を学びたいという気持ちがわいてきたように思います。

今、どのような地質に関する活動をしておりますか?
ヒトが現れて以後の地質時代の自然環境の歴史に興味を持ち、特に地層の年代をきめる火山灰層の同定の研究をしています。府立大学と府立高校で地学の授業をしています。山陰海岸ジオパークの取組で、京都府最北端にある京丹後市の地質の調査や地質案内をしています。京都府内にある、次世代に残しておきたい地質遺産をリストアップする事業にかかわっています。

今一番興味のある地質のトピックスを教えてください。
自然災害から生命・財産を守るために地質学が貢献できることは何か、ということです。火山灰層や火山灰層が固まった凝灰岩という岩石は、水を含みやすくて、崖崩れや、地すべりを起こしやすいです。それらの分布を調べると、減災に貢献できます。あるいは、火山灰層の年代、広がりや厚さから、火山噴火がいつどんな規模で起こったかがわかり、将来への備えの参考になります。そして、その結果を広く社会へ伝えるアウトリーチの活動によって、地質学の成果が生きたものになります。いろんな機会に地質学の成果を広める活動にかかわりたいと考えています。

Lagadoの授業はどのような形式にしたいでしょうか?
いわゆる講義形式でなく、一緒に探し、考える形にしたいです。私は石に関する知識は一般の方より少しは多く持っているでしょうから、それを皆さん方に提供します。そこから皆さんで自由に感じ、読み取ってください。

お客さまへ一言御願いします。
どんなことでもお気軽にお尋ねください。また、京都盆地のおいたち、などについていろいろな疑問を用意してきていただければ、石や地形を手掛かりに、わかる範囲でお答えしようと思います。

Pangea_animation_03
京都鴨川の石は、2億年前に生まれたものが多いようです。
その頃の地球は、大陸が繋がっているパンゲア大陸という時代でした。

Read More

Lagado研究所のDMを書いて頂いた、森綾花さんの個展をLagado研究所にていたします。
森さんの絵は、なにか物語の途中の挿絵のように感じさせる不思議な絵を描かれます。
Lagado研究所で、珈琲を飲みながら物思いに耽て頂ければ幸いです。
こちらが過去の作品です。
森綾花さんは、今年京都精華大学を卒業されます。
同時期に卒業展もございますので、そちらもぜひ合わせてご覧になってください。

yakanensoku1
展覧会名「夜間遠足」
会期:2/23(土)~3/3(日)
場所:Lagado研究所
会期中open:金土日 12時~19時 古道具屋
月 19時~22時 Nowhereman 洋菓子(イートインは完全予約制)
水 20時~24時 miepump 珈琲

森綾花ドローイング展。夜に出会ったモノをもとに描いた木炭のドローイングを展示します。
23(土)24(日)は在廊できるので、遠足にちなんで300円以内で買えるちょっとしたおやつ(クッキー、スコーンを予定)を用意する予定です。

森 綾花 (Ayaka Mori)

1989年 大阪府出身
京都精華大学 芸術学部 メディア造形学科 版画コース 在学中
主に木炭、パステルを使ったドローイングと、銅版画を制作しています。
挿絵など、絵のお仕事募集中です。
何かありましたら下記のメールアドレスにご連絡お願いいたします。
(☆を@に変えてください。)
souvenir.moriayaka☆gmail.com

exhibition

2009 公募展 「postcard size exhibition」 兵庫神戸 Gallery Vie
2011 グループ展「三人の部屋」 兵庫 アトリエ桑の木
2011 企画展 「somesuch」 京都 ギャラリーフロール
2011 企画展 「デディケイト トゥ シュヴァンクマイエル展ーKARASUMAー」 京都 kara-Sギャラリースペース
2012 企画展 「Too young-見たことがない、普通の展覧会-」 京都 ギャラリーフロール →「ギャラリーフロール × MUZZ」プロジェクト活動記録
2012 企画展 「S_mART」京都 京都国際ホテル,京都マルイ,ギャラリーKURA(SHIPS)

HomePage
http://souvenirforet.web.fc2.com

20130120_295431

Read More

20130121-02

○ゲストプロフィール
村上豪康(ムラカミヒデノリ)
1978年生まれ福岡県出身。奈良県在住。2007年1月末に日本を出発し、318日をかけて、世界を一周。現在、言語聴覚士として働きながら、さまざまな旅のアドバイスやコーディネートもしている。

村上さんに質問をしてみました。

世界一周へのきっかけを教えてください。
小学生の頃、植村直己や南極物語の映画を観て探検家に憧れ、世界地図や恐竜図鑑を見ていつかネッシーを発見することを夢見る。高校2年時にオーストラリアに2週間ホームステイし海外へ出るも、大学ではお金が無く無知のため青春18切符で国内を巡る。
言語聴覚士として病院に勤務しリハビリを行っていくと人間の人生について考え幼い頃抱いていた探検家を思いだし海外へ出る

今、旅に関してやってる活動を教えてください。
紀行文を読んだり、世界遺産を巡る旅やどの様にしたら格安で旅ができるか紹介する旅のアドバイスをやってますよ

村上さんにとって興味深い旅トピックスは何ですか?
LCCを利用した世界(一周)、LCCを使って世界旅行と、現地のネット環境について

旅社の今後はどのようにしていきたいですか?
旅へ出る興味やきっかけになるようにイベントを定期的にやっていきたいです

Read More

————————————————————————————
京都大学大学院理学研究科
宇宙物理学教室/附属天文台にて、現在太陽の研究をしている玉澤春史(たまざわはるふみ)さんです。
————————————————————————————

1.星に興味を持ったきっかけを教えてください。

今になって思い返してみれば、ですが、
小学校低学年は夜空に星座を探すのが
好きだったり、プラネタリウムのパンフレットを
懸命に読んでいたりしていました。
科学全般が好きだったので年ごとに
興味はいろいろ移りましたが、大学に
入って研究室紹介のイベント時に
宇宙関係の研究室の見学をして、
再び宇宙関係に興味が戻りました。

2.今は、どのような星に関する活動をされていますか?

大学院で太陽や銀河中心にある「磁場」が関係した
構造や現象についての研究をしています。シミュレーション
を用いてどのような物理がもとになって説明できるかを
解明しようとしています。
また、宇宙・天文関係ということで京都府内の
学校に出前授業を行うこともあります。

3.今一番興味のある宇宙のトピックを教えてください。

望遠鏡や観測衛星が大型化・高性能化しているので
話題には事欠きません。予想しなかったようなものが
出てくると単純に楽しいです。
自分の研究範囲関連ですと、太陽で起こっている
現象と同じ物理で働く現象が他の天体でも
起こっている証拠がでてくるときは特に注目しています。
個人的には来年起こると言われている、銀河中心
ブラックホールへの分子雲接近で何が起こるかが
注目しています。

4.Lagado研究所の授業はどのようにしていきたいですか?

「授業」といった一方通行ではなく、あくまで「話題提供」
という立ち位置です。会話の中で「こんなのもある」というのが
でれば楽しいですし、「こういうものが作れる」とか
「こういうことをやりたい」など刺激になればと考えています。

5.来てくれるお客様へ一言お願いします。

今回のような試みは自分としても
初めてですので、「たまたま隣にいた客の話がおもしろそう
だったので質問してみた」ぐらいになればよいかと思います。
お互い気軽にいきましょう。

Read More

今年も、伊藤聡史さんによるTsute Leatehr Works展が始まりました。
今回のテーマは、町でよく見かける小屋をイメージしたコラージュ作品が並びます。
色々な革を組み合わせて、一つ一つ一点ものに仕上がっています。
私も革鞄を6年ほど愛用していますが、すっかり体の一部となりました。
会期は、来週の月曜日の6時までです。オーダーも可能のようです。
場所は、京都市左京区にある恵文社にあるギャラリーアンフェールです。

 

 

TSUTE ホームページはこちら

開催期間:2012年8月21日(火)-8月27日(月)

開催時間:10:00-22:00(最終日は18時まで)

開催場所:ギャラリーアンフェール

 

前回の展示風景

http://ton-bo.boo.jp/junk/blog/2010/08/28/tsute展残り2日となりました。/

 

Read More

二人目の星の案内人、中尾さんのご紹介です。中尾さんは、先々月発売した「京都こっとうさんぽ」を見て、Lagado研究所に遊びに来て頂きました。
その時、お店にある宇宙フィルムを表示するプロジェクターの絵を見て、ことごとくその写真の正体を、教えてくれました。
宇宙フィルム自体のデザインだけでもおもしろいのに、その写真が何を意味しているのか分かるともっとおもしろい事に気づきました。
お話を伺うと、26歳という若さながら宇宙の勉強を沢山して来られたのがよくわかりました。
そして、中尾さんの登場で、今回の夏の星企画のアイデアが生まれました。

彼も日常を違った角度で見せてくれる人です。最近は、エジプトに関心があるようで、ヒエログリフなんかも書いてしまいます。8月4日(土)は、中尾さんの情熱ある宇宙話ぜひお楽しみください。

中尾優司さん(真ん中は、大阪市立科学館にあるアインシュタイン像)

(8月4日のイベントの先生です。)

1985年 大阪生まれ。

大阪市立科学館 友の会 評議員。

現在奈良大学大学院では運慶、快慶について研究中。

 

1.星に興味を持ったきっかけを教えてください。

1.小さい頃といっても、その時は幼稚園児にもなっていませんでしたが、母方の祖父が望遠鏡で木星と土星を見せてくれました。今考えれば、それが始まりのような気がしています。
しかし、宇宙についての知識を本格的に学ぶようになったのは小学生のときの大阪市立科学館との出会いでした。また、友の会(大阪市立科学館)の入会はさらに多くのことを学びました。高校に入ってから一度辞めましたが、最近また入会しました。
ちなみに、大学でも天文部に入ってました。
ですが、大阪市立科学館と友の会がなければ今の私とは大きく変わっていたんじゃないでしょうか。

2.今は、どのような星に関する活動をされていますか?

2.今年から大阪市立科学館で友の会の評議員になりましたし、また事務局員では企画担当になりました。ただし、評議員や企画はまだそれらしいことは行っていませんが、これからいろいろなことを行っていくと思います。
次に今は休止していますが、科学館のサークルで宇宙の発表を何回かしていました。内容は惑星から星雲、星団、銀河まで至ります。また、再会されれば発表してみたいですね。ちなみに、そのサークルは宇宙についてわかりやすく学ぶサークルで、宇宙についてわからないことがある人や、これから宇宙について学びたい人のために作られたサークルです。
他には科学館での市民天体観望会の手伝いをしています。これは、望遠鏡で見たい天体を自分で入れるという作業や、参加された方への解説を行っています。また、今年は金環日食や金星の太陽面通過がありましたので、そのときも手伝いとして参加しました。

3.今一番興味のある宇宙のトピックを教えてください。

3.やっぱり惑星ですね。市民天体観望会でもいろんな天体を入れますが、望遠鏡に惑星を入れたときが一番うれしいですね。なかでも土星は大変好きな惑星です。まずは、なんといっても環ですね。環は毎年見え方が変わるので飽きさせません。さらに、土星の環には隙間があります。それが望遠鏡で見えたときは本当にうれしいですね。
次に土星の周りを回っている衛星はなかなかいいですね。土星の衛星は一つ一つに個性があります。例えば、タイタンやミマス、エンケラドゥスといった衛星は個性が大変出ています。なかでも感動ものは羊飼い衛星ですね。この衛星は環の美しさを保つために重要な衛星なんです。だから、本格的に宇宙を研究するならば惑星のなかでも土星についての研究で、細かく言えば衛星の研究をしてみたいです。
他には昔の人がどのように宇宙について考え、どのような記録を残し、それをどのように解釈するかという宇宙考古学といったことを今自己流で勉強しています。

4.Lagado研究所の授業はどのようにしていきたいですか?

4.ラガード研究所の講座では、楽しく学べる講座を作りたいと考えています。なぜなら楽しく学ぶことで、宇宙の面白さを知ってほしいからです。また、とてもわかりやすく、天文学に親しみの持てる講座にしていきたいですね。

5.来てくれるお客様へ一言お願いします。

5.決して難しくありませんので、気軽にお越しください。固くならなくていいですよ。また、わからなかったらいろいろ質問してくださいね。
それでは、天文学について楽しく学んでいきましょう。

Read More

廣瀬さんは一年半前に、ヤマグチノリコさん主催の「左京区デ読書」[天文学、それは宇宙の歴史と人間の歴史が交わる物語]にて講師をされていました。
そのDMをたまたま本屋で見かけて、とてもおもしろそうだと思い講習会に参加したのがきっかけでした。
講習会では、昔の人たちの宇宙観についてや暦の歴史、小惑星探査機ハヤブサについてなど古代天文学から現代天文学までの幅広いお話をして頂きました。

その時のお話で感じたのは、天文学とは一つの分野の学問というよりかは、日常のあらゆる部分に浸透している学問なんだという強い印象を受けました。それがあまりにも日常に浸透しているのでなかなか見つけることが出来ない(1年ってどうやって決まったのか、1日はなんで24時間?)。それを廣瀬さんがちょっとずつ目に見える形にあぶり出してくれました。

天文学が日常に潜んでいる例として、「オルバースのパラドックス」

というものがあります。それは、

「夜はなぜ暗いんだろう」「宇宙が永遠と存在していたのなら夜でも無限の星の光で明るいはずだ!」

というお話です。

 

夜が暗いという当たり前の現象から、それが実は宇宙というものは永遠ではなく、宇宙にはある時点で始まりというものを持つという意味に他ならないという考えに行き着く。

日常の当たり前に見える現象にメスを入れることで、ほんの少しだけ日常が違って見えてくる。

そのほんの少しだけ違って見える日常では、案外面白い出来事が沢山起こっていたりしてなんだか退屈ではない日常に見えてきたりする、そこが天文学の面白いところだと思います。

Lagado研究所 課外授業-星空教室-では、そんな日常の現象を廣瀬先生と一緒に探っていきたいと思います。

 

それでは、廣瀬さんについてのご紹介です。

 

廣瀬匠(Sho Hirose)さん
(7月28日のイベントの先生です。)

1981年千葉生まれ。
天文ライター兼編集者として星空案内や現代天文学の話題を雑誌等で発信。星のソムリエ。
現在京都大学大学院では中世インド・アラビアを中心とした天文学史を研究中。

 

廣瀬先生に5つの質問に答えて頂きました。

 

>1.星に興味を持ったきっかけを教えてください。

漠然とですが、宇宙への興味は昔からあったと思います。
親によると4,5歳の頃には太陽系の惑星をスケッチブックに
描いていたそうなので…
ただ、それが形になったのは中学2年生の頃ですね。
1つは、理科の授業で天文の話題が登場したこと。

もう1つは、本当にくだらないきっかけですが…
下校するときのバスでよく寝過ごしたことです。
どういうことかと言いますと、僕の実家は街から少し離れた
山あいにありまして、バスの終点ともなると
さらに田舎、まさに山の中と言ってもいいくらいの場所だったんです。
本数が少ないので終点から家に戻るバスもありません。
日が落ちて、街灯りから遠く離れた暗く長い道のりを
歩くときの唯一の暇潰しが星を見ることでした。
気がついたら、星座のつなぎ方も星の名前も覚えていましたね。

> 2.今は、どのような星に関する活動をされていますか?

研究活動と普及活動の両方です。

星の研究と言えば、宇宙に関する新しい知識を追い求める天文学者を
思い浮かべられるかもしれませんが、僕は昔の天文学者たちによる
知的な営みをたどる「天文学史」を研究しています。
特に専門として選んだのは古代インドの天文学で、
サンスクリット(学術で使われたインドの古典的言語)で
書かれた資料を読み解いています。

普及活動では、星空案内人(通称「星のソムリエ」)という
資格を持っていて、時々講演や星空解説をしています。
また、天文学史の研究を始めるまでは(株)アストロアーツに
所属して天文に関する記事を執筆・編集していたので、
今でも記事を書くことがあります。

> 3.今一番興味のある宇宙のトピックを教えてください。

現代天文学について言えば、何か特定のトピックに注目している
というより、日々世界中で発表されているあらゆる話題に
アンテナを張っています。ちなみにTwitterでもその情報を共有しています。

天文学史の研究者(の卵)として意識しているトピックは、
天文学者が考える最先端の宇宙像と、天文学者以外の人
(特に権力者や宗教家)が持っている宇宙観の関係です。
特にインドでは両者の隔たりが大きい(たとえば天文学者は
地球が丸いことを知っていたのに一般には大地が平らだと
考えられていたことなど)のでその背景を追究したいです。

> 4.Lagado研究所の授業はどのようにしていきたいですか?

星空の下、黒板とチョークだけで行われる授業って
なかなか無いですよね。
私自身、パソコンで作成したスライドを投影するだけの
授業をすることがほとんどなので、
今回の授業では新しい境地を開拓するつもりで臨みたいです。

> 5.来てくれるお客様へ一言お願いします。

是非、大量の「?」を用意して来てください。
みなさまの「?」をどれだけ減らせるかわかりませんし、
下手をすると「?」が増えてしまうかもしれませんが、
多くの新しい「!」を持って帰っていただける自信があります。

また、今月廣瀬匠さんの本が出版されました。

ときめく星空図鑑 (Book for discovery) 

永田美絵 (著), 廣瀬 匠 (著)

内容紹介

星空観察がステキな趣味になる。はじめての星空がよくわかる一冊です。
ふだん見上げている夜空に、こんなに美しい星たちが瞬いていることを知っていますか?
本書では、折々によく見られる星たちを厳選して、四季別に掲載。
プラネタリウム解説員の永田美絵さんによるやさしい解説で、星の位置や見つけかた、まつわるエピソードなど、はじめてでも星のことがよくわかります。
太古から愛される星座たちの誕生のお話から、それぞれの星にまつわる神話、宇宙のしくみ、天体観察と撮影のポイントまでナビゲート。
こちらもぜひ本屋さんなどでお探しになってください。

 

Read More


Music —Julia Hamann/Gute Nacht(Good Night)—

Video—out-1 film 福山源

Music —Julia Hamann & Yusuke Yamasaki/Ariran —

Video—out-1 film 福山源—

1月初め、ドイツのミュージシャン Juliaさんがラガード研究所に遊びにきて頂きました。また、たまたま偶然に東京でMusic Video を数多く制作しているout-1 filmの福山さんと一緒になり、小さいLiveが行われました。上の映像はその時のものです。

今年は、out-1 filmの福山さんが東京から、ユニークなミュージシャンをラガードに呼んで頂けるかもしれないので、詳細などが決まりましたらこちらのホームページにて連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いします。

Read More

先週は、Lagado研究所に天文古玩サイトを運営している玉青さんがいらっしゃいました。

この天文古玩のサイトは、あらゆる角度から天文に関する情報を網羅したサイトとなっております。ちょうど2年くらい前に、日時計の作り方をサイトで検索していた時にこのサイトに出会いました。

本来世の中は、興味のあるものと興味のないもので100パーセントだと思っていたのですが、

天文古玩さんのサイトを拝見すると、この世の中は、興味のあるものと興味のないものを合わせると、1パーセントくらいで、残りの99パーセントは、興味があるかないかさえわからない領域なんだと、つくづくと思ったりします。

自分はモノが好きなので、天文古玩さんが紹介している天文系グッツを見るのがとても楽しみでもあります。

ぜひみなさんも自分でも興味があるかないかわからない領域を、天文古玩さんのサイトで見つけ出してみてはいかがでしょうか。

サイト左部分に、Categoryがありますのでそこから入るのがお勧めです。

●前回の天文古玩さん紹介ページ

http://ton-bo.boo.jp/junk/blog/2010/08/29/天文古玩/

Read More